しいたけ栽培を始めてから1年が過ぎました。その間いろいろなトラブルに見舞われましたが、何とか事業としてやっていけそうな目処がついたので、昨年の8月から新しいしいたけ栽培設備を作り始めました。
こんなもん2ヶ月もあれば出来るわ~と思ってましたが、実際は予想以上に時間がかかり、12月になってようやく完成しました。
新しいしいたけ栽培設備の規模は畳48畳分、今までの6倍という大きさです。ただいま試運転中ですが、温度も湿度もよい感じで推移しており、しいたけの発生も順調です。
しいたけ栽培の新設備
新しいしいたけ栽培設備は以前の設備で実験してきた結果を踏まえ、基礎をしっかり造り、断熱性を高めるために断熱材を厚めにして、すき間をコーキング材でふさいでいます。
また、京フェムス推進事業補助金による消費電力可視化システムを使って省エネ化を図るとともに、温湿度を監視するためのセンサー類も設置し、IoTによるしいたけ栽培支援システムをさらに強化しています。
エアコンや加湿器、サーキュレーターは一応付いてますが、場所はまだ確定していません。空気の流れをうまくコントロールしないと、設備内の温度が一定に保てないので、しばらくの間は外気温と内部の温湿度をモニタリングしながら、細かいチューニングをしていくことになりそうです。
当初の目論見では10月末ぐらいに完成させて、テスト稼働しながら菌床を増やした後、最盛期となる12月にはバンバンしいたけを出荷する予定でしたが、計画よりかなり遅れてしまいました。
まあ、途中と最後にお手伝いしてもらった以外は、ほぼ一人で作業してたので仕方ありません。
しいたけ栽培設備工事 FRP防水
それでは、しいたけ栽培設備ができるまでをご紹介します。前半は床にコンクリートを流して、その上にブロックを積んで基礎を作りました。前半の様子は下のリンクからご覧いただけます。
後半はFRPで床を防水して、木で躯体を作って断熱材を貼り、上物を完成させました。
では、しいたけ栽培設備工事の後半をご紹介します。まずはFRP防水のため、ポリエステル樹脂を下塗りします。
続いてガラス繊維を床に合わせて切断します。このガラス繊維にポリエステル樹脂を塗って硬化させることで、強固な防水層が形成されます。
ローラーにポリエステル樹脂を含ませて、ガラス繊維の上に塗っていきます。ポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜてから塗るので、余裕は20分ほどしかありません。モタモタしていると塗る前に樹脂が固まってしまいます。
ガラス繊維の中に気泡ができると表面がデコボコになるので、ポリエステル樹脂を塗った後は脱泡ローラーを使って気泡を消していきます。さすがにポリエステル樹脂の塗布と脱泡を一人でやるのは無理なので、ビルメンテナンスに精通しているMさんに脱泡を手伝ってもらいました。
FRP防水の作業中はガラス繊維の破片が飛び散り、ポリエステル樹脂で手足がベトベトになります。しかも洗浄には有機溶剤のアセトンを使うので、保護のため全身を防護服と手袋、長靴で覆い、防毒マスクを着用します。
樹脂が硬化した後で、デコボコになった所をグラインダーで削りました。これでFRP防水工事は完成です。コンクリートの上に樹脂を塗って水槽を作ったような感じなので、余程のことがない限り水漏れはしないでしょう。
しいたけ栽培設備工事 柱組み
次は柱を組んでいきます。まずは支柱の端を電動のこぎりで切って長さを合わせます。
溝掘り機で柱に横木を入れるための溝を掘ります。溝を掘るたびに結構な量のおがくずが溜まっていきます。
溝掘り機で掘った溝です。思ったよりきれいな溝でしょ。こうしておけば、補強の横木を入れても段差ができず、側面がツライチのままになるので、壁板をすき間なく貼り付けることができます。
壁を建てる前に柱をあらかじめ組み合わせてネジ止めして、壁をモジュール化していきます。こうすると水平や垂直を出したり、各寸法を合わせるのが容易になります。横木もちゃんと溝に収まっています。
組み上がった壁のモジュールを基礎の上に設置して、微調整しながら固定していきます。
全て設置するとこんな感じです。かなり建物らしくなりましたねぇ。ここまで来たら完成まであと少しです。
続いて屋根を作ります。屋根の形状はいくつか検討しましたが、結局木で組んだ骨組に支柱を入れて支えるという形になりました。
内部を広く使うためには支柱なしの方がいいのですが、そのためには屋根の形状や材質を変えないといけません。今回は支柱を固定せず、棚の位置に合わせて横に移動できるようにしました。
屋根の上に断熱材を貼り、コーキングですき間を塞ぎます。高所の作業なので、脚立は必須です。
屋根に続いて壁にも断熱材を貼ります。加工はとてもカンタン、カッターが一本あればOKです。屋根と壁の断熱材貼りは一人だと作業が進まないので、お手伝いをお願いしました。
温度管理のエアコンは、設置工事がいらない家庭用のウィンドエアコンを使いました。今は冷暖房兼用のウィンドエアコンがあまり出回っていないので、中古を入手して設置しています。
最後に扉を作ります。断熱性を考えてしっかりしたものを作りたいところですが、あまり重いとパートの女性が扱えなくなるので、厚みはほどほどにしてあります。
あとは照明を付けて、断熱材のすき間をコーキングで埋めて気密性を高めます。
とりあえずこれで完成です。かなり大きな設備ですが、断熱材を厚くしてあるので、家庭用の小さなエアコン2台で温度管理ができます。ただ、室内の温度は外気温によって結構変動するので、もうちょっと断熱材を貼る必要がありそうです。壁や天井の結露もあるし、断熱に関してはまだ研究の余地がありますねぇ。
他にも電気工事や配線工事、センサー取付、照明取付、その他細かい作業をいろいろやってます。いや、それにしても長かった・・・自分で自分をホメてあげたい (^皿^)
新しいしいたけ栽培設備ができて一段落といったところですが、今までの家庭菜園ごっこから少し成長して、やっとこさスタートラインに立てたという段階、ホントの勝負はこれからです。
さっさと試運転を終えて菌床を増やし、フル稼働できるようにがんばりま~す (^^)
しいたけ栽培設備 その他工事の流れ
しいたけ栽培設備工事の経過は、以前のブログ記事でご紹介しています。よかったらこちらもご覧ください。基礎工事を終え、床のFRP防水に取り掛かったのが10月末ぐらい、その時点で途中経過をアップしています。
そこから防水工事、柱組み、断熱材の貼り付け、エアコンや照明等の設置を経て、12月末に設備が完成しました。
あと、温度と湿度を管理するため、便利なIoTデバイス「Netatmo ウェザーステーション」を使っています。セットアップから解説しているので、よかったらこちらもご覧ください。